17kmのサイクリングは普段自転車に乗らない私でも楽しめるか?レンタルE-BIKEで飯山駅から野沢温泉まで行ってみた
北信濃エリア 野沢温泉村
最近よく耳にする「E-BIKE」。電動アシスト付きのスポーツサイクル(ロードバイクやマウンテンバイク、クロスバイクなど)のことで、体力に自信がない人でもサイクリングが楽しめるとか、坂道でも快適に自転車を走らせることができるとかで、人気が出てきているらしい。本当に誰でも楽しめるのか?北陸新幹線飯山駅構内にある信越自然郷(しんえつしぜんきょう)アクティビティセンターに行ってきました。
(この記事は、2020年3月9日に取材しました。)
出発準備。E-BIKEの操作方法とおススメルートを確認
ウッディなトーンでまとめられた店内には、キャンプ用品やTHE NORTH FACEのウェアなどオシャレなアイテムがたくさん。その一角に、今日の相棒のE-BIKEもいました。
ミヤタ製のクロスバイクタイプのE-BIKEで、1台約30万円くらいするとのこと。電動アシスト機能の操作は、他の電動アシスト自転車と同様、電源を入れてモード選択(ECO/NOMAL/HARD)をするだけでOK。パワーがあるので、急な坂道でも楽にスイスイ進めるそうです。
おススメのルートを訪ねてみると、折角なので急な上り坂でE-BIKEの機能を存分に味わってほしいということで、「野沢温泉ワンウェイルート」をお勧めいただきました。全長16.7kmで、中盤に通る小菅地区というところに良い坂があるとのこと。「普段自転車に乗らないんですけど、16.7kmってちょっと長くないですか?」と質問したところ、「E-BIKEならお年寄りやお子さんでもそれくらい平気です」とニッコリ。イタズラっぽい含み笑いが少し気になりつつ、このルートを行くことに決定。Googleマップにルート登録がしてあるので、それを見ながら進むことができます。実際のルートはこちら。
ゴール地点に設定されている野沢温泉観光協会で乗り捨てができるので、温泉からのビールを楽しんで、バスで戻って来てみてはとのこと。はい、採用。ということで、温泉&ビールを目指して、はじめてのE-BIKEサイクリングに出発!
E-BIKE初体験。乗り心地は?
はじめてのE-BIKEなので、ドキドキしながら最初の一漕ぎ。
「ああ。確かにペダルが軽いように感じるけど、思ったほどグイーンとはいかないんですね。」
「あ、今モードOFFなので。」
「・・・」
恥ずかしいので、さっさと出発しよう。では、行ってきまーす。
最初は街中の平たんな道が続くので、ECOモードに設定。止まった状態からの漕ぎ出しはアシストのおかげでスムーズにスタートでき、ある程度のスピードになるとアシストが弱まりほぼ人力に。ほぼ人力と言っても、力はほとんど必要ありません。これなら17kmも余裕かもしれません。
商店街を抜け、千曲川沿いに出るために右折したところで、気になるお店を発見。
まだ出発してからほとんど進んでいませんが、気になっちゃったので仕方ないと、ふらり店内へ。
おいしそうなケーキがずらりと並んでいますが、迷わずこちらをチョイス。
飯山名物の「バナナボート」です。全国のコンビニやスーパーで似たようなスイーツが販売されていますが、飯山のバナナボートは一説によると40年以上前から子どものおやつとして親しまれてきた歴史があります。昔からの慣習により冬の間しか作らないというお店も多く、季節限定のローカルスイーツとしてスキー客にも人気とのことです。
カロリー補給を終え、再出発。橋を渡って堤防道路に出ます。ここはとにかく見晴らしが良く、平たんにまっすぐ伸びる道は信号がなく、車通りもほとんどないので、サイクリングにうってつけの道路です。爽快に風を切って走るのが楽しく、一気に駆け抜けます。ここもフラットなので、電動アシストはほとんどお休みでした。
いよいよ坂道。本当に快適にサイクリングできるのか
堤防道路が終わると集落に入ります。多少のアップダウンがありますが、電動アシストのおかげで何の苦も無くスイスイ進めます。道中、歴史を感じるカッコいい蔵を見つけました。
道路から写真を撮っていると、庭先で作業をしていたおばあちゃんが中に入ってもいいよと声をかけてくれました。お言葉に甘えて中に入ると、とても豪華な庭が!
きれいに形が整えられた木々が佇まい、風情のある大きな池にはチョロチョロと流れ落ちる水の音が心地よく響いています。庭木を囲んでいる木材は雪の重みで枝が折れないようにする雪囲いというもので、豪雪地域ならではの景色です。なんと、高い木以外は全部ご自分で手入れをされているとのことで、おばあちゃんの手間ひま愛情が詰まったお庭なんですね。
とってもフレンドリーなおばあちゃんとお別れし、いよいよ信越自然郷アクティビティセンターのスタッフさんおススメの坂道へ。
写真じゃ、きっとあまり伝わらないんだろうなぁ。結構な上り坂です。普通の自転車だったら、間違いなく引いて歩きますね。スタッフさんのイタズラっぽい含み笑いの理由がわかりました。本当に上れるのかと急に不安になりましたが、後戻りはできません。E-BIKEのアシストモードをHARDに切り替え、いざヒルクライムに挑戦です。
おっ!・・・ん?・・・あれ??漕いで進むことはできるんですが、イマイチ快適とは言い難い。聞いていた話と違うじゃないかと思いつつ、たまらずギアを低速に切り替えると、スイーーーー。急にアシストが働きはじめ、平地を漕いでいる時と比べて、ちょっと負荷がかかる程度に。そうか、高速ギアのままだとアシストがあまり効かないということか。
それにしても、これは楽しい!こんな急な坂道を立ち漕ぎすることもなく、自転車で上るという不思議な感覚を感じながら、グイグイ上っていきます。振り返ると、絶景が広がっていました。
この写真、よーく見てください。あることに気づきませんか?
そう、この坂道20%も勾配があるんです。20%は、スキーのコースでいえば中級程度の斜面。少しは坂道の急さが伝わるでしょうか?この坂道をE-BIKEであれば、こんな感じで上れます。
ためしに電動アシストをOFFにしてみると、こんな感じ。
E-BIKEの実力を十分に体験できました。
北竜湖から野沢温泉へ
長い坂道を上りきったら修験場として有名な小菅神社の入口に。今日は立ち寄らずに、このまま北竜湖を目指して山道を進みます。
眺望を堪能しつつ、緩やかに坂を下っていくと北竜湖に到着。北竜湖はハート形をしていて恋愛成就のスポットとして有名ですが、景観も美しくとても雰囲気があります。
北竜湖から野沢温泉までは、しばらく森の中を進みます。マイナスイオンな気分に浸りながら漕ぎ進めていくと、開けた場所にでてゴールの野沢温泉が見えました。
約3時間のE-BIKEサイクリング。自然も、坂も、地元の方との触れ合いも、目いっぱい詰まった充実感ある自転車旅でした。
乗り捨てならではのお楽しみ
乗り捨てポイントの野沢温泉観光協会にE-BIKEを返却したら、まずは温泉で汗を流すことにします。野沢温泉は、たくさんの日帰り入浴施設がある温泉パラダイス。観光協会でもらったマップを見ながら物色していると、屋根に白鷺がとまっている温泉を発見。あまりにも絶妙なポジションにとまっていて、これは何かのおぼし召しかもしれないと、この温泉に決定。
ここ麻釜温泉公園ふるさとの湯は、内装や設備がとてもきれいで、子ども連れでも安心して利用できる雰囲気です。強めの硫黄の匂いが温泉に入っていることを実感させてくれます。ゆっくりと露天風呂で手足を伸ばしていれば当然渇きますね、喉が。
風呂上がりに冷えたビールをくいっと行きたいところですが、運動してお腹もペコペコなのでまずは腹ごしらえ。外国人観光客にも人気のお店「ハウス サンアントン」で季節のキッシュを注文。
そしてお待ちかねのビール!
こちらは「里武士(りぶし)」というビールバー。店内には醸造設備もあり、まさに出来たてのクラフトビールが飲めちゃうんです。ああ、至福の一杯。安心してお酒が飲めるのは、乗り捨てレンタサイクルの醍醐味です。
すぐ近くにはビール以外のお酒も飲める姉妹店「The Pig & Barrel」もあり、こちらもおススメです。開放的な空間が、とても居心地が良いお店です。
ほろ酔い気分で温泉街を吹き抜ける爽やかな風を感じながら歩いていると、ファットバイクタイプのE-BIKEを発見。今回のサイクリングですっかりE-BIKEにハマったので、“またがりたい欲”が抑えられません。
このお店は2019年12月にオープンしたばかりの、アウトドアウェアやアイテムのお店「COMPAS VILLAGE」。国内ではあまり見かけないような本場のギアも取り扱う本格派のアウトドアショップです。販売だけでなくレンタルも可能とのことなので、冬にスキーのレンタルショップとして利用するのもアリですね。
飯山駅を拠点としたレンタルサイクルの旅。E-BIKEなら長距離や坂道でも、快適に移動できることがわかりました。これなら各地を巡る移動手段としても、十分活用できそうです。まだE-BIKEに乗ったことがない方は、ぜひお試しください。
まとめ
〇E-BIKEなら体力に自信がない方でも快適にサイクリングが楽しめる
〇E-BIKEで行く上り坂は、魔法のようにスイスイ進める
〇乗り捨てOKのレンタサイクルなら、目的地で美味しいビールが飲める
更新日:2020/10/11
信越自然郷サイクリング 野沢温泉ワンウェイルート
時間 | 所要時間:約4時間 |
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予約 | レンタサイクルは予約なしでも利用可能ですが、在庫切れの場合もあるので事前の予約をおススメします。 |
料金 | E-BIKEレンタル 半日:2,000円 1日:3,000円 ※乗り捨てサービスをご利用の場合は、プラス1,000円必要です。 |
TEL | 0269-62-7001 |
場所
長野県飯山市大字飯山772-6 飯山駅1FMAP