エリアガイド駒ヶ根
3,000m級の山々を街から望む、豊かな自然が魅力です。
山歩きから温泉まで、バラエティーに富んだ旅を満喫しましょう。
高山植物の宝庫・千畳敷カール
西に中央アルプス、東に南アルプスの絶景を望む駒ヶ根エリア。ここで人気の観光スポットといえば、中央アルプスの代表山・木曽駒ヶ岳の途中にある「千畳敷カール」です。〝カール〟とは圏谷のことで、山肌が氷河期の氷で削られてお椀のような窪地を指します。
実際に訪れる時は、駒ヶ根高原から登山バスで約30分、そこから駒ヶ岳ロープウェイを利用して約8分で標高2,612mにある標高日本一の駅「千畳敷駅」へ。目の前に広がる迫力のある景色におどろくことでしょう。
また、6月から9月にかけてハクサンチンゲやクルマユリ、ミヤマリンドウ、シナノオトギリ、コバケイソウ、イワツメクサ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイといったさまざまな高山植物が花を咲かせます。花が咲いている一帯は、1周40分ほどの遊歩道が整備されているので、観光客でも安心して散策が楽しめます。もちろん、ここから駒ケ岳や宝剣岳などへの本格的な登山も可能です。目的に合わせた服装と装備で訪れることをおすすめします。
高原の自然と合わせて楽しむ温泉
標高約800mの駒ヶ根高原に位置する早太郎温泉郷。ちょっと変わった名称は、温泉郷にある光前寺で飼われていた早太郎という、強くて足の速い犬が、遠州府中(現在の静岡県磐田市)にいた化け物を死闘の末に退治した「早太郎伝説」に由来します。
無色透明で匂いも少ないアルカリ性単純温泉の湯は、やわらかく、しっとりとした肌触りです。湯上り後はすべすべになることから「美肌の湯」としても知られ、過去には観光経済新聞が行う「にっぽんの温泉100選」の泉質部門でランクインしたことも。
周辺には太田切川にかかる全長146mの吊り橋を渡って川沿いを1時間ほど散策する遊歩道や、晴れた日には水面に中央アルプスが逆さに映り込む駒ヶ池などのスポットも点在。高原ののどかな自然と温泉を存分に満喫できます。
長野県屈指の寺で観るしだれ桜
860年に本聖上人(ほんじょうしょうにん)が開基した「光前寺」。武田家や羽柴家といった武将の保護を受けながら隆盛を極め、長野県屈指の寺として広く信仰を集めています。早太郎温泉郷のシンボルにもなっている「早太郎伝説」の寺でもあり、本堂横には早太郎の墓が祀られています。
仁王門から大講堂、鐘楼付近には約70本のしだれ桜があり、桜の名所としても知られています。寺へと向かう参道沿いには約300万本ものスイセンが群生。1995年から地元住民が休耕田に植え始めたもので、例年3月中旬から4月中旬にかけて咲き、光前寺のしだれ桜、残雪の中央アルプスと、春ならではの風景を求めて多くの人が訪れます。
ほかにも参道へと続く道の石垣や本坊の縁の下には、光苔が自生。本坊・客殿にある「築山池泉庭園(国の名勝に指定)」や本堂前の「池泉庭園」など、四季折々の自然を間近に観賞できます。
駒ヶ根グルメはソースかつ丼とごま
駒ヶ根のご当地グルメといえば、「駒ヶ根ソースかつ丼」が有名で、市内35店舗の飲食店や旅館などが駒ヶ根ソースかつ丼会に加盟して、ソースかつ丼の味を守り続けています。駒ヶ根ソースかつ丼は、ごはんの上に千切りキャベツを敷いたところに秘伝のタレにくぐらせたトンカツをのせています。店ごとにタレの味や盛り付けは異なるので、市民の間ではお気に入りの店がそれぞれにあるようです。駒ヶ根ソースかつ丼を提供している店を探す時は、店先に出されたオレンジ色ののぼり旗が目印です。お気に入りの味を見つけに、散策してみましょう。
最近では、駒ヶ根で栽培されている信州ごまが注目されています。希少な国産ごまに注目し、2007年に「信州・駒ヶ根ごまプロジェクト」を発足。駒ヶ根を〝ごまのまち〟にしようと地域全体でブランド化を進めています。色つやが良く、非常に香りが高いのが特徴で、最近では市内の洋菓子店、和菓子店、パン屋、サービスエリアなどでごまを使ったお菓子や料理など多種多様な商品を販売し、おみやげにも喜ばれています。