エリアガイド別所温泉

別所温泉

1400年の歴史がある信州最古の湯「別所温泉」。
情緒あふれる温泉街が広がり、国宝などの歴史的建造物が多く点在します。
外湯や足湯を楽しみながら、のんびりと散策しませんか?

長野県最古の温泉・別所温泉

長野県上田市にある温泉地・別所温泉。長野県最古の温泉地として知られ、その歴史は1400年以上。温泉街の中心部にあるお寺「北向観音」の下から湧き出る温泉で、泉質は“美人の湯”と呼ばれる弱アルカリ性単純硫黄泉。13の温泉旅館が点在し、3カ所の外湯(共同浴場)や日帰り公共温泉施設「あいそめの湯」もあります。
3つの外湯は各200円で入浴でき、“風呂の日”とする毎月26日は小学生以下の子どもは無料。温泉街には足湯や飲泉所もあるので、温泉街を散策しながら湯めぐりを楽しみましょう。

風情あふれる温泉街が広がる別所温泉

風情あふれる温泉街が広がる別所温泉 ©別所温泉観光協会

真田幸村の隠し湯とされる「石湯」

真田幸村の隠し湯とされる「石湯」 ©別所温泉観光協会

木曽義仲、北条義政ゆかりの湯「大湯」

木曽義仲、北条義政ゆかりの湯「大湯」 ©別所温泉観光協会

安楽寺の八角三重塔をモチーフにした総ヒノキ造りの足湯「ななくり」

安楽寺の八角三重塔をモチーフにした総ヒノキ造りの足湯「ななくり」 ©別所温泉観光協会

別所温泉には3カ所(石湯前、北向観音参道、大湯前)に飲泉塔があります

別所温泉には3カ所(石湯前、北向観音参道、大湯前)に飲泉塔があります ©別所温泉観光協会

別所温泉含め、上田市の西南に広がる塩田平一帯は、古くから仏教文化が花開き、国宝や重要文化財など数多くの文化財が点在していることから「信州の鎌倉」とも呼ばれています。
少雨乾燥地帯である塩田平はたびたび干害に見舞われ、人びとは雨を願って水源となる山々に古くから祈りを捧げてきました。別所温泉に伝わる雨乞いの祭り「岳の幟(たけののぼり)」は、龍を模した色とりどりの幟を掲げた人々の行列が練り歩き、笛や太鼓に合わせてささら踊りや三頭獅子舞も奉納されます。500年以上の歴史がある祭りで国の選択無形民俗文化財にも登録されています。

色鮮やかな織を持った行列が練り歩く、雨乞いの祭り「岳の幟」

"色鮮やかな織を持った行列が練り歩く、雨乞いの祭り「岳の幟」 ©別所温泉観光協会

のどかな田園風景や里山が広がる塩田平

のどかな田園風景や里山が広がる塩田平 ©別所温泉観光協会

歩いて巡る
数々の文化遺産

別所温泉一帯は、鎌倉時代に木曽義仲(源義仲)が派遣した群生により火を放たれ、多くの寺院が灰になりましたが、大悲殿と安楽寺の「八角三重塔」だけは焼失をまぬがれました。その後、焼失してしまった寺院は源頼朝、次いで塩田北条氏により再建され、この地は大いに栄えたことが、別所を含む塩田平が“信州の鎌倉”と称される由縁です。
別所温泉を訪れたらぜひ、そんな由緒ある数々の古刹を巡ってみましょう。
鎌倉時代に焼失をまぬがれた国宝・八角三重塔は、国内最古の禅宗様築建であり、木造の八角塔としては全国で一つしかない貴重な建築。日本では最も古い臨済禅宗寺院の一つ・安楽寺の境内奥に佇み、県内では最も早く国宝に指定されました。

木造の八角塔としては国内唯一の国宝・八角三重塔

木造の八角塔としては国内唯一の国宝・八角三重塔 ©別所温泉観光協会

信州学海の中心道場として多くの学僧を育てていた安楽寺。事前予約で座禅体験もできます

信州学海の中心道場として多くの学僧を育てていた安楽寺。事前予約で座禅体験もできます ©別所温泉観光協会

北向観音は、現世利益を願う厄除観音として古くから信仰を集めてきました。長野市にある「善光寺」と向かい合うように本堂が北を向いていることから北向観音と呼ばれています。
境内にある、縁結びの木として親しまれる「愛染(あいぜん)カツラ」や夫婦円満の木「夫婦杉」、恋愛や家庭円満などを司る仏様「愛染明王」など、恋愛に関連したパワースポットも人気です。
北向観音参道の大門通りには、土産物屋やカフェなどさまざまなお店が軒を連ね、お参りと合わせて立ち寄るのがおすすめ。

現世利益を願う北向観音。未来往生を願う善光寺と合わせてお参りをするとさらにご利益があるといわれています

現世利益を願う北向観音。未来往生を願う善光寺と合わせてお参りをするとさらにご利益があるといわれています ©別所温泉観光協会

北向観音の参道にはさまざまなお店が立ち並び、お参りと合わせて立ち寄るのがおすすめ

北向観音の参道にはさまざまなお店が立ち並び、お参りと合わせて立ち寄るのがおすすめ ©別所温泉観光協会

恋愛成就の神社として有名なのが「別所神社」。別所神社の祠には、男石、女石、子種石がまつられていることから古くから縁結びにご利益があるとされています。別所温泉北方の小高い丘の上に建ち、神楽殿に設置されたベンチからは塩田平や遠く浅間連峰の景色が楽しめます。
その他、北向観音の本坊である「常楽寺」や良縁や子宝に恵まれるという「お湯かけ地蔵」など温泉街をのんびに歩きながら巡るのにおすすめなスポットが満載です。

縁結びにご利益がある別所神社。神楽殿にはベンチが設置され、塩田平の展望が広がります

縁結びにご利益がある別所神社。神楽殿にはベンチが設置され、塩田平の展望が広がります ©別所温泉観光協会

鎌倉時代には天台数学の道場として栄えた常楽寺。境内には、重要文化財に指定されている「石造多宝塔」や極楽浄土へ導くとされる松の木「御舟の松」などもあります

鎌倉時代には天台数学の道場として栄えた常楽寺。境内には、重要文化財に指定されている「石造多宝塔」や極楽浄土へ導くとされる松の木「御舟の松」などもあります ©別所温泉観光協会

足湯・ななくりの隣にあるお湯かけ地蔵。頭から温泉をたっぷりかけてお祈りしましょう

足湯・ななくりの隣にあるお湯かけ地蔵。頭から温泉をたっぷりかけてお祈りしましょう ©別所温泉観光協会

温泉や街歩きと合わせて楽しむ
別所温泉のグルメ

別所温泉を含む塩田平は、アカマツの山林が多く、国内有数の松茸の産地。旬である9月~11月頃には、「松茸小屋」がオープンします。別所温泉の各旅館でも松茸料理が提供され、松茸の時期を狙って訪れる人も少なくありません。

別所温泉の各旅館でも松茸料理が提供されます
別所温泉の各旅館でも松茸料理が提供されます ©別所温泉観光協会

上田のご当地グルメといえば「馬肉うどん」。上田で“肉うどん”の肉といえば豚でも牛でもなく、馬肉。柔らかく調理された馬肉のうま味が、だし汁にコクを与えます。別所温泉でも名物「馬肉うどん」を味わえます。

すき焼きのような濃いめの味付けが特徴の「馬肉うどん」
すき焼きのような濃いめの味付けが特徴の「馬肉うどん」 ©別所温泉観光協会

温泉街の散策途中に立ち寄りたいのが喫茶店やカフェ。別所温泉には個性豊かな喫茶店やカフェが多く、新しいお店も次々とオープンしています。ジェラートやお団子などテイクアウトができるお店もあるので、食べ歩きも楽しめます。

歩き疲れたら喫茶店やカフェで休憩もおすすめ。写真は温泉街の真ん中に建つ喫茶店「茶房まるげん」

歩き疲れたら喫茶店やカフェで休憩もおすすめ。写真は温泉街の真ん中に建つ喫茶店「茶房まるげん」 ©別所温泉観光協会

古民家を改装した趣あるカフェもオープン。写真はワーケーションや会議スペースとしても利用できるサブスク型の新感覚カフェ「Smooth & Living」

古民家を改装した趣あるカフェもオープン。写真はワーケーションや会議スペースとしても利用できるサブスク型の新感覚カフェ「Smooth & Living」 ©別所温泉観光協会

ローカル線を使った電車旅もおすすめ
別所温泉駅のレトロな駅舎が人気

別所温泉の最寄り駅は上田電鉄別所線の「別所温泉駅」。別所線は上田駅から別所温泉駅までを結ぶローカル線です。上田駅から別所温泉駅までは約12km、約30分かけてゆっくり進みます。別所温泉へ訪れるなら、沿線に広がる豊かな田園風景を眺めながらの電車旅もおすすめ。
別所線にはレトロな駅舎が多く、別所温泉駅もその一つ。淡いブルーとベージュの洋館風の駅舎は、フォトジェニックなスポットとして人気です。かつて別所線を走っていた丸い窓を持つ車両「丸窓電車」も展示されています。

別所温泉の玄関口「別所温泉駅」

別所温泉の玄関口「別所温泉駅」 ©別所温泉観光協会

レトロな雰囲気が漂います

レトロな雰囲気が漂います ©別所温泉観光協会

淡いブルーとベージュで統一されたクラシックな洋館風の駅舎

淡いブルーとベージュで統一されたクラシックな洋館風の駅舎 ©別所温泉観光協会

かつて別所線を走っていた丸窓電車

かつて別所線を走っていた丸窓電車 (GoNAGANOアーカイブ記事より©上田電鉄別所線)

のどかな田園風景の中をゆっくり進んでいきます

のどかな田園風景の中をゆっくり進んでいきます ©別所温泉観光協会

写真提供・協力:別所温泉観光協会

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