エリアガイド日本アルプスエリア
圧倒的なスケールの山々と
歴史文化薫る城下町と田園風景
山々がもたらす恵みを求めて、日本アルプスエリアへ。山麓に広がる田園風景に癒され、さまざまなアクティビティにも挑戦。大自然のなかで、身も心も解き放たれる、贅沢な旅を満喫。
世界に誇る山岳リゾートで、未知の感動体験を
城下町松本をはじめ、日本の原風景が広がる安曇野、岳都大町や白馬、乗鞍、そしてアルピニストの聖地である上高地など、名だたる人気観光地がひしめく日本アルプスエリア。
3000m級の山々のてっぺんから田園地帯まで、標高差のある地形は、まさに圧倒されるほどのスケールです。それだけに、白馬をはじめエリア内では本格的な登山からトレッキング、湧き水を利用したクリアボートや岸壁を登るシャワークライミング、ラフティングなど、アクティビティが充実。いつもの旅が、より思い出深いものになるはずです。
花の名山とも呼ばれる白馬は、色とりどりの高山植物の宝庫です。白馬の名峰と二分してアルピニストに人気が高いのが穂高連峰。その登山口にあたる上高地は、年間150万人が訪れる山岳リゾート。豊かな自然が織りなす光景は、神秘的で美しく、まるで別次元の世界にいるような深い感動をもたらしてくれることでしょう。
青く澄んだ梓川の向こうに穂高連峰がそびえたつ上高地。河童橋は随一の撮影スポット。橋から下流側を見ると焼岳を望めます
「3日入ると三年は風邪をひかない」といわれる白骨温泉。湯宿はそれぞれに源泉を持ち、泉質もそれぞれ少しずつ異なります
白馬八方尾根の中腹に位置する八方池。ゴンドラとリフトを乗り継ぎ、終点からは約1時間半のトレッキングでたどり着きます
漆黒の国宝と北アルプスとのコントラストが美しい松本
国宝松本城を中心に城下町を形成する松本市は、東に美ヶ原、西に北アルプスを望む山岳都市。蔵造りの老舗が並ぶ中町通りやレトロな雰囲気を醸すナワテ通りは、目的地がなくてもふらっとまち歩きを楽しむにはぴったりの場所です。
また、松本は、民芸運動の拠点ともなり、古くから全国の職人が集まって腕を競いあった〝工芸のまち〟でもあります。今も民芸店やクラフトショップなどが数多く建ち並び、気軽に立ち寄れる雰囲気もこの町の大きな魅力です。その合間には小粋なカフェやバー。昼も夜も、まち歩きが楽しい場所です。
旅先には温泉地を選びたいという方には、美ヶ原温泉や浅間温泉がおすすめです。近代化されたなかにも懐かしい土蔵の建物などが見え、心がなごみます。もちろん、どちらも湯治場として栄えてきただけに、泉質は折り紙付きです。
工芸店などが並ぶ松本市の中町通り。明治時代の大火を経て建てられた土蔵が今も残されています
故丸山太郎氏が「民芸をみるたしかな目」で優れた民芸品を蒐集した松本民芸館
松本地方伝統の本棟造りである建物で出迎えてくれる旅館もある浅間温泉
中山道の要衝として栄えた塩尻は、ワインと漆器の里
松本盆地の南端にある塩尻市は、個性豊かなワイナリーが点在する長野県きってのワインの銘醸地です。年間日照時間が長く、雨が少ない気候は、ぶどう栽培には最適で、明治時代から高品質なワインを醸造してきました。
毎年5月には、「塩尻ワイナリーフェスタ」が開催されます。塩尻のなかでも古くからの産地である桔梗ヶ原のぶどう畑に点在するワイナリーをめぐり、自慢のワインをぜひ味わってください。
塩尻市から国道19号を南下した先にある木曽平沢地区は、木曽漆器の里。江戸時代から中山道の土産としてつくられはじめ、伝統の技が受け継がれてきました。
その中山道木曽十一宿で最も賑わったのが奈良井千軒と謳われた奈良井宿です。千本格子や出梁、小屋根の猿頭などは往時そのままで、まるで時間が止まったかのよう。江戸時代の旅籠や日本家屋を生かした漆器店に立ち寄れば、意外な掘り出し物がみつかるかもしれません。
塩尻市の桔梗ケ原は、ぶどうの観光農園や多くのワイナリーが集まり、なかには世界的なコンクールで受賞するワイナリーも
年間の日照時間が長く、雨が少ない気候により、良質のぶどうが栽培される。水はけの良い土地も栽培に適している
桧材を主体に桂・栃など木地とし、座卓・盆・膳・重箱・そば道具など日用漆器を生産。木曽漆器工房やショップが軒を連ねます