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特集『信州歩く観光』❸
長野県在住の山好きライターが厳選!登山口までマイカーなしでもたどり着ける日帰りハイクスポット3選

北アルプス、南アルプス、中央アルプスと日本列島の背骨を成す3つの山脈に加えて、火山活動によって形成された御嶽山や乗鞍岳、八ヶ岳など、長野県内には数多くの名峰がそびえ立っています。そのためハイキングスポットも無数にあり、どこを歩けばいいのか悩ましいところ。そこで今回は、「日帰りで歩けること、登山口までマイカーなしでもたどり着けること」を条件に、長野県内おすすめのハイキングスポットを、Go NAGANO公式エディターが独自の目線で3カ所選出。自分の体力や経験を踏まえて参考にしてお出かけください。

更新日:2023/09/12

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7つの散策コースのなかで、とくに成長したヒノキの巨木群に出会える「冷沢コース」

赤沢自然休養林(上松町)/江戸時代から守られてきた針葉樹林の森歩き

伊勢神宮で20年に一度行われる「式年遷宮」のご用材とされるほど、高品質な木材として知られている木曽ヒノキ。この木曽ヒノキを中心とした、平均樹齢300年を超える天然の針葉樹林を歩けるのが、上松町にある赤沢自然休養林です。江戸幕府の直轄領、皇室の御料林、政府の国有林と、さまざまな形で管理されてきたこの森は、1969年(昭和44年)に国内初の「自然休養林」に指定され、森林浴発祥の地としての役割も果たしてきました。

そんな歴史ある森のなかには、7つの散策コースが設定されています。いずれのコースも足元は木道やウッドチップが敷かれて歩きやすいので、滑りにくいスニーカーであれば問題なく歩けます。御神木伐採跡地やヒノキの大樹をめぐる「駒鳥コース」、段差がなくバリアフリーな「ふれあいの道」などがありますが、とくにおすすめなのが、巨木が生い茂る冷沢峠を通る「冷沢コース」です。所要時間は1時間50分と長いですが、太く真っすぐ伸びる、生命力あふれる木々を見上げるだけで、パワーをもらえること間違いなしです。

赤沢自然休養林内には美しい沢が流れている。夏は、ここへ水遊びをしに訪れる人も多い
木道のすぐ横をゆっくり走り抜ける森林鉄道。切符は木曽ヒノキ製で持ち帰ることもできる

【DATA】
●ルート距離:1.5~3.3㎞(*ルート選択により異なります)
●目安時間:40分~1時間50分
●赤沢自然休養林までのアクセス:【電車・バス】JR上松駅よりバスで約30分【車】中央自動車道伊那ICより約1時間20分
●問い合わせ:上松町観光協会(0264-52-1133)
●公式サイト:https://kiso-hinoki.jp/colibri-wp/tourist/akasawa/
●GoogleMAP:https://goo.gl/maps/Sx1yRc952ZLhEeyL6

飯盛山の山頂付近。標高は1,643m。見晴らしがいいので、ゆっくり腰を下ろして周囲の景色を楽しもう

飯盛山(南牧村)/八ヶ岳を眺めながら鼻歌交じりに山頂を目指す

国内最高所にある「JR野辺山駅」の南側に位置する飯盛山は、茶碗に盛ったご飯のように丸みを帯びた三角形が特徴の山です。この山の魅力は、展望のよい山頂から八ヶ岳の雄姿を眺められること、シーズンにはニッコウキスゲなどの高山植物に出合えること。期間限定運行の観光周遊バス「くるり野辺山号」の停車駅であり駐車場のある「しし岩登山口」から歩けば、往復2時間弱でそれらを楽しめることができます。登山口から山頂までの標高差は200mもなく、登山初心者でも歩きやすい緩やかな登りが続きます。歩き始めは樹林帯ですが、後半に差し掛かると稜線に出て、八ヶ岳や南アルプスの大展望を堪能しながら歩けるのも最高です。

もう少し体力がある方には、「JR野辺山駅」から徒歩で「しし岩登山口」を目指し、飯盛山の山頂を踏んだ後に「JR清里駅」方面へ下山するルートもおすすめ。所要時間は約3時間半かかりますが、スタートからゴールまで景色が異なり、より旅感のあるハイキングを楽しめます。「JR清里駅」に着いたら、清里名物のソフトクリームをご褒美として味わうこともお忘れなく。

飯盛山の山頂から見た八ヶ岳。視界が良好であれば、南アルプスや奥秩父の山塊、また富士山まで眺められる
JR線の駅のなかで最高所にある「JR野辺山駅」。約1時間かかるが「しし岩登山口」まで徒歩で行くことも可能

【DATA】
●ルート距離:約4km(しし岩登山口~飯盛山*往復)
●目安時間:約1時間45分
●しし岩登山口までのアクセス:【電車・バス】JR野辺山駅より徒歩で約1時間、バスで約10分(観光周遊バスの運行状況は南牧村観光協会公式サイトにて要確認)【車】中央自動車道長坂ICより約30分
●問い合わせ:南牧村観光協会(0267-96-2211)
●公式サイト:https://www.kanko-nobeyama.jp/
●GoogleMAP:https://goo.gl/maps/XsCWTHxXxgERgB2W6

リフト山頂駅から片道約1時間40分で、標高2,060mの八方池に到着。池の奥には白馬三山が聳える ©白馬村観光局

八方池(白馬村) /スキー場のゴンドラ&リフトに乗って高山の世界へ

世界に誇るマウンテンリゾート・白馬には、グリーンシーズンでもゴンドラやリフトが稼働しているスキー場がいくつもあり、北アルプスの山の上へアプロ―チする際に利用することができます。ここでご紹介するのは「白馬八方尾根スキー場」のゴンドラとリフトに乗って1,830mの八方池山荘まで登り、そこから歩きだして標高2,060mの八方池を目指すルートです。ケルンと呼ばれる石積みの塔を目印にしながら、木道を登って行けばたどり着けます。八方池と背後に聳える山々が織りなすダイナミックな風景は、まさに高山ならでは。

日帰りの場合は八方池で折り返すことをおすすめしますが、山の上で1泊できるなら、八方池からさらに片道約2時間50分でたどり着ける標高2,696mの唐松岳を目指すのもいいでしょう。「八方池山荘」から唐松岳山頂を往復すると7時間30分以上かかるので、日帰りだとハードな登山になってしまいますが、山頂の少し手前にある「唐松頂上山荘」という山小屋に泊まれば、無理なく歩くことができます。なにより、山の上で眺める日本海に沈む夕日、雲海から昇る朝日は格別です。

白馬八方尾根スキー場のリフトの上からの景色。標高差1,060mをワープして山の上へ ©白馬村観光局
唐松岳山頂まで徒歩20分の場所に建つ「唐松岳頂上山荘」。山頂付近では、戸隠、妙高、白馬三山、五竜岳、立山連峰、劔岳、能登半島、日本海などが見渡せる ©白馬村観光局

【DATA】
●ルート距離:約2.6km(八方池山荘~八方池*往復)
●目安時間:約3時間
●白馬八方尾根スキー場までのアクセス:【電車・バス】JR白馬駅よりバスで約7分【車】長野自動車道更埴ICまたは安曇野ICより約1時間
●問い合わせ:【八方尾根・八方池】八方インフォメーションセンター(0261-72-3066)、白馬観光開発株式会社八方営業本部(0261-72-3280)【白馬村・唐松岳など登山関連】白馬村観光局 インフォメーション(Snow Peak LAND STATION HAKUBA内)(0261-85-4210)
●公式サイト:https://www.vill.hakuba.nagano.jp/
●GoogleMAP:https://goo.gl/maps/96AtuzBEihTr3BgJA


取材・文・写真:松元 麻希

<著者プロフィール>
松元 麻希(Maki Matsumoto)
鹿児島県生まれ。転勤族のため、物心ついたときから高校生になるまで、全国を転々とする生活を送る。都内の雑誌出版社で9年間修業した後、フリーランスライターとして独立。2017年にスキー好きが高じて長野県松本市へ移住し、現在は南アルプスと中央アルプスの麓・伊那谷で暮らしながら、アウトドアやグルメを中心としたライター業に励んでいる。

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