エリアガイド木曽路エリア

木曽路エリア

木曽路はすべて山の中
日本遺産に認定された歴史文化にふれる

長野県初の日本遺産として注目を集める木曽路には、先人によって継承されてきた貴重な文化が息づいています。木曽十一宿は、江戸時代へ続くタイムトンネル。未知なる旅へ、いざないます。

時代劇のセットを見るような、江戸の町並みが目の前に出現

江戸時代の五街道のひとつ、中山道は京と江戸を結ぶ重要な街道でした。約540kmの道程には、中山道六十九次と呼ばれる宿場があり、そのうち十一の宿場が木曽路に置かれました。
木曽川に沿って、深く切れ込む谷間や険しい峠が続く木曽路は、山深く、平地が少ない土地柄。林業以外の産業は、入りこむ余地がありませんでした。これによって、独特の文化や風土が残され、今に結びついていくのです。
江戸から続く古い町並みを日本で初めて保存したのが、妻籠です。出梁造りにうだつの上がる道筋は、江戸の町並みそのもの。木曽路の最南端にある馬籠宿も、同じようにノスタルジックな道筋が続きます。
木曽路は、平成28(2016)年に日本遺産に認定されました。森閑とした谷あいに分け入り、ひっそりと守られてきた宿場や伝統工芸品、食文化を訪ね、古き佳き日本の原風景にふれてみませんか。

例年1月下旬から2月上旬に開かれる木曽路氷雪の灯祭り期間中、木曽路は手づくりのアイスキャンドルなどで彩られます。写真は妻籠宿

樹齢300年超の木曽ヒノキ林が広がる赤沢自然休養林。4~11月は林業を支えた森林鉄道も運行

木曽漆器祭・奈良井宿場祭では、江戸時代、中山道を通ってお茶を運んだ「お茶壺道中」も再現

ご飯をこねて団子型やわらじ型にして、味噌だれをつけて囲炉裏などであぶった五平餅

木曽の暮らしを支えてきた森。そこから美しい工芸品が生まれる

幾重にも重なる山々、豊穣なる森と水。木曽谷の約9割を占めるのは、木曽五木を代表とする森林です。五木のなかでも、特に木曽ひのきは木目が緻密で美しく、伊勢神宮の式年遷宮の御神木に使われるなど、古来、神社仏閣に重用されてきました。
貴重な森林資源を生かした地場産品の開発・生産も盛んです。ろくろ細工や曲物、ネズコ下駄や花器など、いずれも匠の技が生きる名品揃い。手入れさえ怠らなければ、何代にもわたって使い続けられるのも人気の理由です。商品は、宿場の工芸品店や土産店で手に入るほか、見学できる工房もあります。

原木を荒削りし、美しい木目を際立たせるようにろくろで仕上げる椀や盆

生地をくりぬいて形づくるろくろ細工。南木曽ろくろ細工は国の伝統工芸品です

木曽漆器や曲げわっぱなどをお土産として販売する店舗や、工房兼店舗もあります

木曽ひのきを薄い板に削って作る曲げ細工。弁当箱(めんぱ)や花器、蒸籠などに使われます

渓谷や名瀑、高原と、名勝つらなる霊峰・御嶽山の山裾

木曽福島宿から向かう開田高原への道筋は、狭い山あいの木曽路とは全く異なる開放感あふれる別天地。どこまでも広がる空の下に、御嶽山がゆったりと裾野を広げています。御嶽山は、古くから信仰の山として畏敬を集めてきた霊峰。その山裾には、阿寺渓谷や柿其渓谷、清滝・新滝などの名勝があり、渓流釣りのスポットとして訪れる人も少なくありません。
木曽八景にその名を連ねる寝覚めの床は、奇岩とエメラルドグリーンが織りなす絶景地。浦島太郎が釣りを楽しんだという伝説も伝わり、寝覚めの床の入口にある臨川寺には、浦島太郎の釣り竿まであります。
御嶽山の東山麓に広がる開田高原は、木曽馬の里。木曽馬は、性格がおとなしく、大きな瞳がチャームポイント。開田高原では、地域資源を生かしたヘルスツーリズムも行っており、そのひとつが『木曽馬と歩く健康ウォーキング』です。木曽馬にふれたり、乗馬することで心身のリラクゼーションや脳活性化にもつながるのだとか。乗馬体験の後に味わう、名物の霧下そばや木曽を代表する漬物のすんきもまた格別です。

富士山、立山、白山と並び、霊峰として多くの登拝者を迎えてきた御嶽山。山頂からは、槍ヶ岳など日本を代表する名山が望めます

暮らしに寄り添い大切にされてきた木曽馬。純血種が保護育成され、見学や乗馬体験ができます

木曽川の流れが花崗岩を侵食してできた寝覚めの床。県歌『信濃の国』にも謳われる木曽随一の名勝

新滝・清滝は、御嶽山を信望する行者が御山に登拝する際に精進潔斎する行場。写真は清滝

木曽の主なスポット

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